前回は、コンパクトマンションの供給戸数の推移に注目してみましたが、今回は発売価格についてみていきましょう。
添付左側のグラフは、コンパクトマンションの発売平均価格と平均専有面積です。専有面積は、縮小傾向にあり、10年前は40㎡を超えていましたが、2020年には37.96㎡にまで縮小し、2022年は拡大して39.61㎡となりましたが、40㎡は下回っています。一方、価格は上昇傾向が続いており、2013年には戸当たり2,396万円でしたが、2018年には3,030万円となり初めて3,000万円 を突破、その後も前年比でマイナスになることがなく上昇を続け、2022年は前年比7.8%上昇の3,642万円でした。純粋に、2013年の価格と比較すると価格が1.5倍になったことになります。また、先ほど述べた通り、面積は縮小傾向にあるため㎡単価に換算すると、コンパクトマンション価格は高騰していることが考えられます。
最後に、コンパクトマンションの供給のカギを握る地価に着目していきましょう。添付右側のグラフは、地価変動とコンパクトマンションの価格の推移を追ったものです。ここで、地価公示を先行指標として時差相関を計ると、地価公示を2年先行させた際の相関係数は0.86となりました。相関係数は、値が1に近づくほど強い相関関係を示すと言われています。前述の通り、中心市街地での供給が多いコンパクトマンションは、地価の影響をダイレクトに受けやすいと言えます。
単身者、2人世帯が増えており、更に、コロナ禍を経て快適な住環境へのニーズも高まってきている中で、コンパクトマンションは今後もシェアを伸ばしていくと考えられます。